QUREO(キュレオ)とスクラッチって何が違う?(詳細比較)

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はじめに

お子様のプログラミングスクールを検討されている方の中には、学習塾によって、スクラッチを活用しているところと、QUREO(キュレオ)を活用しているところがあって、何が違うのかわからない、どちらに通わせれば良いかわからないと感じている方も多いのではないでしょうか。キュレオはスクラッチをベースに開発されているので、とても似ている部分も多いですが、スクラッチにはできてキュレオにはできない(機能を削除している)部分も多くあります。今回の記事では、他のブログではあまり紹介されていない”機能面”での違いを中心に解説していきます。それらの違いを理解いただき、お子様がどのようにプログラミングスキルを身につけてもらうかについてより考えが深まってもらえればうれしいです。

QUREO(キュレオ)とスクラッチって何が違う?(詳細比較)

キュレオとスクラッチの違いをきちんと理解して、お子様にあったプログラミング教育を考えましょう

キュレオについて

キュレオは小学生向けのプログラミング教材です。プログラミングスクールの Tech Kids Schoolが開発に関わっているだけあってうまく子供のやる気を引き出しながら、飽きさせずにプログラミングの基礎をしっかり学べるような構成になっています。

QUREO(キュレオ) | 子供向けオンラインプログラミングサービス

ポイント①:ゲームを作っていくので子供も楽しめる

基本的な構成としてはストーリーに沿ってゲームを作っていきます。普段から任天堂スイッチなどで遊んでいるようなゲームが自分で作れるということで、具体的なイメージを持って取り組めるのが、子供が継続できるポイントになっていると思います。

QUREO(キュレオ)とスクラッチって何が違う?(詳細比較)

ポイント②:自力で進めるようにしっかりとガイドしてくれる

まず、お手本の動きを見て、その動きになるようにプログラミングしていきますが、進行役のアルゴがすごく丁寧にガイドをしてくれるので、自分の力でカリキュラムを進めることができます。ブロックの機能を説明するのはもちろん、「設計図」を使ってそれぞれのキャラクターの動きを整理してくれるので、頭で考えたこととコードを一致させていくというプログラミングの基礎力が身についていくと思います。

QUREO(キュレオ)とスクラッチって何が違う?(詳細比較)
QUREO(キュレオ)とスクラッチって何が違う?(詳細比較)

ポイント③:バグ探しのレッスンがある

実際に自分で何かのプログラミングを作るとき、プログラミングを行なっている時間の9割がバグ取りです。自分の書いたコードでなぜ考えた通り動かないのか、その原因を根気よく追求していくことこそ論理的思考を育て、個人的にはそれこそがプログラミング学習の目的だと考えています。そして、キュレオにはわざと間違えたコードを用意して、なぜ間違えているかを考えさせるレッスンが組み込まれています。ここは、この教材でいちばん感心したポイントです。

QUREO(キュレオ)とスクラッチって何が違う?(詳細比較)

ポイント③:スクラッチがベースとなっている

キュレオのプログラミングはスクラッチがベースになっていて、使い方も非常にスクラッチに近いです。スクラッチは子供用プログラミングのスタンダードで小学校で支給されるPCにもインストールされていることが多いです。キュレオはスクラッチの機能をそぎ落として、簡略化したエントリー用の教材なのであまり複雑なプログラミングはできません。キュレオを卒業して、より高度なプログラミング・ゲーム作りにチャレンジしたければ、スムーズにスクラッチに移行できるところもキュレオの良さだと思います。今回の記事では、スクラッチとキュレオの違いについて詳しくお話ししていきます。違いをきちんと理解して、キュレオ教室を選ぶか、はじめからスクラッチ教室に通うかを決めると良いと思います。

QUREO(キュレオ)で学習するには

キュレオは自立型のオンライン学習教材で、以前は個人がプレミアムプランを契約して、家庭で学習できていたようですが現在は提携するキュレオプログラミイング教室のみで学習できるようです。HPによるとなんと全国2470教室でキュレオを学習できるようですので、お近くの学習塾でも取り扱ってるかもしれません。まずはフリープランを自宅で体験してみて、お子様が続きそうであれば、近くのキュレオプログラミング教室を探してみると良いと思います。

キュレオとスクラッチの違い(プログラミングのブロック)

まずはプログラミングとしての違いに注目していきます。

スクラッチには「動き」「見た目」「音」「イベント」「制御」「調べる」「演算」「変数」「ブロック定義」とブロックが10カテゴリーに別れて用意されています。カテゴリーごとにブロックの色が違うので直感的にもわかりやすいのが特徴です。キュレオでもおおよそ同様のカテゴリーが用意されていますが、キュレオの方が用意されているブロックの種類が少なくそれにより作れる作品(ゲーム)の幅が狭まります。ここから、それぞれのカテゴリーでの違いについてみていきます。すべて左側がスクラッチで右側がキュレオです。

動き

動きのカテゴリーはほぼほぼ違いはありません。「1秒でどこかの場所に行く」というブロックがキュレオにはありませんが”乱数”で作れるので問題はありません。X座標・Y座標・向きについて、スクラッチでは左側にチェックボックスがあります。チェックをすると、画面上で値が確認できますが、そこまで重要ではないので、動きに関してはほとんど違いがないと言って問題ないと思います

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見た目

見た目のカテゴリーで、キュレオにないのは色の効果のブロックです。このブロックがないことで色だけではなく魚眼レンズ・渦巻き・ピクセル化・モザイク・明るさ・幽霊の効果が利用できなくなります。特に幽霊の効果は、キャラクターやアイテムをじわっと出現させるようなときによく使います。ただ、プログラミング上問題があるというよりかはより細かい演出ができるという違いになりますので、ここもそこまで問題はないかと思います。


↓色の効果を駆使した動く塗り絵です

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音においては、こちらも見た目と同様にピッチの効果についてはキュレオにはありません。こちらも音楽系の作品を作るときのディテールになると思いますので、プログラミング上は大きな問題はありません。

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イベント

イベント部分は大きく異なります。スクラッチの緑の旗が押された時というのがキュレオのランボタン(▲)をクリックした時に相当しますが、それ以外のイベントがごっそりありません。上から4つのイベントについてはIF文の条件で代用することができるので、キュレオは教材としてきちんとIF文を学んでもらうということを目的としているのでわざと無くしているのかもしれません。しかし、下の3つのメッセージに関ては論理的思考を行う上でかなり重要な役割を果たすと考えています。

例えば、格闘ゲームで相手を倒したときに、
・「●●の勝利」という文字が出て、
・勝者は喜び、
・敗者はうなだれ
・BGMも変化する
という同時多発的な変化をつけようとしたときに”メッセージ”機能はかなり便利ですし、プログラミングの初期で学ぶべきことではないかなと思います。
これも変数とIF文を駆使すればキュレオでもできなくはないですが、変数をつかっての挙動の操作はかなり子供には難易度が高いのではと思います。


↓メッセージを多用している格闘ゲームの作り方です

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制御

ここのカテゴリーでの違いはキュレオにはクローンがないということです。クローンはゲームを作る上ではヘビーローテーションで活用するブロックなので、ここも少し残念なところです。スクラッチゲームの初級編でよく作成する「もぐらたたきゲーム」「風船割りゲーム」「さるキャッチゲーム」など、同じスプライト(キュレオではオブジェクト)を何度も出現させるゲームではクローン機能が必須です。


↓このWEBサイトで一番簡単なもぐらたたきゲームでもいきなりクローンは出てきます。

キュレオはゲームを作ることが目的ではなくて、プログラミングの基礎構文を身につけるということを重視しているのでクローン機能を削除しているのかもしれません。もしくは、クローンを入れることで教える側のスキルも必要になってくるので、プログラミング教育の平準化・普及の観点で外しているのかもしれません。

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調べる

このカテゴリーでの大きな違いは特定の色に触れたときの条件がキュレオにはないという点です。スクラッチでゲームを作るときの”あたり判定”にこの条件をよく利用します。この部分に関してはゲームとしての精度を上げるために必要なだけなので、プログラミングとしては問題ないです。

↓当たり判定を細かく行なっているゲームです

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演算

演算のカテゴリーに関してはほぼ同じです。りんごが含まれるの演算がありませんが、かなりレアな演算ですので気にする必要はないかと思います。

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変数

変数に関しては使えるブロックに関しては全く同じ内容となっています。

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キュレオとスクラッチの違い(その他)

そのほかにもスクラッチではできて、キュレオではできないことがあるので紹介します。

コスチューム

スクラッチにはスプライトごとにコスチュームを用意できます。コスチュームは初めから用意されているものもありますし、自分で描画することもできます。オリジナルキャラクターを自分で描画することで自分だけのゲームが作れますし、コスチュームで手足の動きを微妙に変えていくことでキャラクターの動きにアニメーションをつけることもできます。

スクラッチのコスチュームにあたるのが、キュレオのスキンです。キュレオでもスキンを変化させるプログラムは組めますが、描画ができないためアニメーションのように動かすことはできません。

こちらも、ゲームのディテール部分でプログラミングとは直接関わりはないので、キュレオを卒業してから挑戦してもいい領域だと思います。またキュレオにはかなり多くのキャラクターやアイテムが用意されているので選ぶ楽しさもあると思います。

↓コスチュームの変化を多用している格闘ゲームです

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スクラッチのコスチューム
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キュレオのスキン

クラウド変数

スクラッチにはクラウド変数という概念があります。このクラウド変数を使うと、自分が作ったゲームのスコアを他の人と争うことができるようになります。スコアランキングを作って、上位スコアを表示するようなことができて、ゲームを作る楽しみが増します。これも小学生にはかなり高度な領域ですので、ゆくゆくは挑戦するということでよいと思います。

↓クラウド変数を使ったスコアランキングの作り方です。

共有する

スクラッチの大切な要素として、自分の作ったプログラムを全世界に共有するという考え方があります。もちろん他の人が作ったプログラムも見ることができます。このように、世界中の子供達とスクラッチを通じて交流ができたり、人のプログラムを見ることで学習したりすることができるのもスクラッチの素晴らしいところです。一通りプログラミングの基礎ができたらそれを発信してオープンなコミュニケーションに参加していくということにもトライすると良いと思います。

拡張機能

スクラッチにはさまざまな拡張機能が用意されています。ビデオモーションセンサーを使ってARゲームを作ったり、レゴとつなげてロボットプログラミングをしたりと、想像力の幅がどんどん広がっていきます。

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↓ビデオモーションセンサーを使ったARゲーム

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キュレオはスクラッチをベースとしたすごく良くできた学習教材です。でも、プログラミングを高いレベルで楽しんでいくには最終的にはスクラッチで学習することをおススメします。キュレオとスクラッチの違いを理解して、キュレオプログラミング教室で基礎を作ってからスクラッチに行くのか、はじめからスクラッチ教室に通うのか、検討してみてはいかがでしょうか。

↓キッズプログラミング教室をお探しの方はこちらの記事も参考にしてください。