はじめに
今回の記事はレゴブースト(LEGO BOOST)の購入を検討されている方、購入したけど遊ばなくなってしまった方に、レゴブーストのコスパを最大化させる方法について解説しています。
レゴブーストはとても優れた知育玩具です。ただのおもちゃで終わらせてしまうか、最高のSTEAM教育のツールにするかは使い方次第です。
この記事の内容を実践すれば、ロボットプログラミング教室に通うわなくても、家庭でSTEAM教育が実践できるかもしれません!
レゴブースト(LRGO®︎BOOST)について
レゴブーストは2018年に日本で販売開始された知育玩具で、レゴの組み立てを楽しめるだけではなく、組み立てたレゴをプログラミングで動かせると言うことで、非常に人気の商品となっています。
このセットを購入すると、5種類のロボットを作ることができ、専用のプログラミングソフトをスマホ・タブレットで使うことで様々な動きをしたり、音を出したり、ミサイルを発射したりすることができます。組み立てやプログラミングのプロセスも、ソフト上で丁寧に解説されているのでお子様でも挫折することなく組み立てていけると思います。
公式動画をみると、どのようなものかイメージできると思います。
レゴブーストとよく比較されるのがLEGOが出している教育ツールのWEDO2.0です。WEDO2.0は教育用に作られていて教材もしっかりとしていて、教育現場で使うには優れていますが、価格・ブロックの種類、センサーなどをトータルで考えるとレゴブーストの方が家庭用にはお買い得ということになります。
レゴブーストを買って陥りがちな罠
プログラミングの必修化やSTEAM教育の必要性が謳われている中で、お子様にレゴブーストをプレゼントするお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。玩具として楽しみながら、プログラミングまで学習できてしまえれば、そんなにいいことはありません。実際にきちんと真面目に取り組むことができれば、購入代金など余裕で元がとれるくらい優れた玩具だと思います。
しかし・・ここに2つの罠があります
一つ目の罠は組み立てることで満足してプログラミングがおざなりになることです。
レゴブーストの組み立てるプロセスは非常に長く、パーツも非常に多いことから大人が取り組んでも半日がかりにの作業になります。(5種類のロボットを作れるので、1つのロボットを作るときに不要なパーツが多くて、パーツを探すのに苦労します)。ですので組み上がっただけでもかなりの達成感があり、本来はここからがプログラミングの勉強なのですが、その部分がおざなりになってしまう場合が多いです。またプログラミングといっても、ただ前や後ろに動かすだけだと、プログラミングの思考能力が身につくことは期待できず、いろいろ自分なりにプログラムを工夫する必要があります。そこまでお子様が到達できるかは親次第ということかもしれません。
そして二つ目の罠は5種類のうち1体だけ組み立てて終わってしまうことです。
先ほども述べた通り、一体のロボットを作るのにとても苦労するので、次のロボットを作るために分解するのがおっくうになってしまいがちです。(実際に分解するのも一苦労です・・)そのため、1体のロボットを作って、結局棚に飾ってあるという話もよく聞きます。レゴブーストは5種類のロボットを作ることで、さまざまなプログラミング方法に触れてロボットプログラミングの基礎を養っていくように設計されているので、1体で終わってしまうと購入代金の1/5しか元をとれていないことにもなります。
ただのおもちゃで終わらせない:その①
レゴブーストは非常に優れた知育玩具です。モーターが3つあり、チルトセンサーにカラーセンサーまでついています。さまざまな動力機構を実現するためのパーツもしっかりと揃っています。
このレゴブーストの良さを最大限に引き出すためには、簡単に組み立てて・簡単に分解できるロボットをいっぱいつくることです。
レゴブーストを使ったレシピは以下の二つがおすすめです。
The LEGO BOOST Idea Book
これは五十川さんという方が書かれた書籍で、レゴブーストを使ったシンプルなロボットレシピが95種類も掲載されています。英語の書籍ですが、ほとんど文字がなく、絵で理解できるのでお子様でも全く問題がないと思います。アマゾンなどから購入できます。
The LEGO BOOST Idea Book: 95 Simple Robots and Hints for Making More
The LEGOBOOST Building Instructions Vol.1 Getting Started from WeDo2.0
こちらはみおろぼさんという方が書かれているもので、kindleで購読可能です。レゴWeDoのロボットをレゴブーストで作る方法が記載されています。みおろぼさんのホームページはとてもわかりやすく、ロボットプログラミングに関して紹介されているので、そちらも参考にしてみてください。
The LEGOBOOST Building Instructions Vol.1 Getting Started from WeDo2.0
↓みおろぼさんのホームページ
miorobo.com
ただのおもちゃで終わらせない:その②
レゴブーストで作ったロボットを動かすには、レゴブースト用の専用アプリで動かすことができます。
例えば車輪を持ったロボットでこのようなプログラムを組むと、50のスピードで80の方向(右方向)で5秒間動かす、という指示になります。直感的にはわかりやすく、子供でも取り組みやすいですが、クルマを曲げるには左右のタイヤの回転速度に差をつけるということを理解する方が大切なんじゃないかと思うのです。
さらに、このアプリにはジョイスティックという究極のプログラムブロックがあります。ジョイスティックのコードを組み込むと、スマホがコントローラーのラジコンになってしまいます。
もちろん、このアプリでもっと複雑なコードを組んでいくこともできますが、私がオススメするのは、
レゴブーストをスクラッチと接続することです。
スクラッチは、名実ともにキッズプログラミングのスタンダードになっていて、小学校で配布されるPCにもスクラッチが初めからインストールされていることが多いです(我が子の学校はそうなってます)
スクラッチでレゴブーストを操作することの利点は次の通りです。
スクラッチとレゴブーストの接続の方法は、また改めて記事で解説しますが、接続すると以下のような3つの入門プロジェクトが用意されています。
試しに「猫を飼う」のロボットプログラムを実行します。
以下のようなプログラムが準備されていて、レゴブーストで組み立てた猫ロボットに緑色のエサを与える(センサーに近づける)と喜び、赤色のエサだと嫌がります。これが画面のネコと連動するのです。
実際に行ってみた動画が以下の通りとなります。ロボットの猫と画面の猫の動きが連動しているのがわかります。
ここからどんどん応用していくと、以下のような発想も実現することができます。
- スクラッチでゲームを作り、失敗するとレゴブーストのロケットランチャーが発射される
- レゴブーストのチルトセンサーを使って、レーシングゲームを作る
- レゴブーストのモーター機能を使って釣りゲームを作る
- 画面上に描いた絵の通りにロボットが紙に絵を描く
これらはすべてレゴアプリだけではできないことです。
シンプルなロボットをスクラッチで動かしていくことでレゴブーストのコスパを最大化することができます。レゴブースの購入を検討している方、組み上がったロボットが棚に飾られてしまっている方は是非参考にしてみてください。